平成16年7月31日
〜8月7日のうち

【8月4日〜5日分】

↑後生掛温泉行きのバス
角館駅にバスで戻り、今夜の宿の後生掛温泉へ向かいます。八幡平への途中にある温泉でバスは田沢湖駅から出ています。角館から田沢湖までは、やはり秋田新幹線こまちで15分ほどです。田沢湖は乳頭温泉などにもバスが出ていて数年前訪れた時は古いけど広くて雰囲気のある電車の駅みたいなバスターミナルがあったのですが、今回訪れたときは駅前も再開発の途中のようで道路の脇にプレハブの小さな待合室があるだけの寂しいバス停となっていました。それでも乳頭温泉へのバスはかなり盛況で出発していきました。そのすぐ後の後生掛温泉方面行き14:20のバスは最終で大きなバスでしたが乗客は数人と寂しいものでした。ほどなくバスはたくさんの観光客がいる田沢湖湖畔を通り玉川に沿って八幡平方面へ向かいます。やがて大きな湖が見えてきました。宝仙湖といって玉川を塞き止めて出来たとても大きな湖です。川は上流の玉川温泉から流れ出した水が流れる渋黒川の合流点付近に近づくに従って鉄分で真茶色に濁ってきます。その辺りから急な山道をどんどん八幡平に向かって登っていくとやがて有名な玉川温泉に到着です。岩盤浴で有名なこの温泉はたくさんの人で賑わっていてここに泊まる予定もありましたが、ここは医者が匙を投げたような末期の患者が藁をもすがる気持ちで集まる場所だと聞き観光客の多いこの時期は遠慮することにしました。賑やかな玉川温泉を後にさらに頂上に向かってバスは走ります。道は国道で2車線のきちんとした道ですがくねくねと曲がり、至るところに落石防止のトンネルがいくつも続いて、はるか下方に広がる景色はずいぶんと高いとこまで登って来たんだな〜、と思わせてくれます。
 大 沼 
今日の宿は後生掛温泉というところですが、バスを1つ手前の大沼温泉で降りて大沼と言う沼を訪れました。着いたのは16:10だったので田沢湖駅から約2時間弱でしたが天気も景色も良くてほとんど貸し切り状態だったので長いとは感じませんでした。大沼温泉のバス停に降りると辺りには誰もいなく静かな大沼が目の前に広がります。バス停そばにある大沼温泉は内湯と露天風呂があるそうでしたが今回は時間の関係もあって諦めました。そして何故か宿の前には熊の檻が。中の様子は見ませんでしたが熊を飼ってるのでしょか?大沼はブナ林と湿原に囲まれていて沼を一周できるように木道が設置されています。

←中上:沼を一周する木道
←中下:沼には大きな魚が泳いでしました。
 (写真の真中辺りですが分かるかな?)

↑左端の建物が大沼温泉です
沼での音を聞いてみる!

↑サワギキョウ
高地の夏は過ぎるのも早く、夏の花が一杯。。。と言うほどではなかったのですが、それでもあちこちにキレイな花が咲いていました。多く見たのは紫色が鮮やかなサワギキョウとコバギボウシでした。コバギボウシはややしおれていたのですが。。。あ、花の名前はもしかしたら違うかも知れません。図鑑とかで調べてもよく分からなかったんで。
宿には5時半から夕食と聞いていたのですが、ちとのんびりし過ぎて大沼を出発したのは5時を回った頃でした。ここから約1.5qほど先ほどバスで来た道をテクテク歩くことになります。意外と車は多く通るのであまりボ〜と歩いていると危険であります。ズイブン歩いたなあ、と思った頃、1台の軽自動車が一旦通りすぎバックで戻ってきました。後ろから来た車にクラクション鳴らされながら止まった車からおぢさんが出てきて「yosiさんですか?」と言いました。予定より遅くなったので心配してきてくれたのでしょうか?結局、もう少しだと言うことらしいので、それにかなり汗だくであったのでそのまま歩いて宿に行く事にしました。おぢさんありがとう。。。


↑コバギボウシ

↑コバギボウシ
 後生掛温泉 
さて、宿が見えてきました。宿は意外とキレイで大規模でしたが、驚いたのは宿の裏手に広がる湯気の立ち上る大きな池です。いかに湯量が豊富か分かります。後生掛温泉と言う名前はこんな言い伝えからとされています。「300年前、三陸生れの若者九兵衛が地獄谷の尻に牛を飼って住み着いていたが、3年目の夏に生死をさまよう重病に冒された。その時恐山に向かう若い巡礼が通りかかり佛心を込めて看病したので、九兵衛は全快し、同情と敬慕に結ばれた二人は幸福な3年を過ごした。然し九兵衛には三陸久慈に許嫁があった。出発後生まれた子は七才になっていた。子供のため、夫を迎えに妻は故郷を後にした。やっとたどりついた地獄谷で見合う三人の夜が夫々の苦悩と鶏鳴に明けると巡礼の姿が無かった。妻は予感をたどり地獄谷大石の側に草鞋を見つけた。女として女を知る妻は号泣した。そして妻も又夫の声を後に聞きながら、後生を掛けて地獄谷に身を投じていた。その後地獄谷を訪れる人はオナメ(妾)モトメ(本妻)と呼びこの地を後生掛と呼ぶようになった。」なんとも悲しくなるお話で、そしてヒドイ♂であります。ま、今の世の中ではとても考えられない話ですね〜。

↑本館玄関

↑本館
【後生掛温泉】
〒018-5141
秋田県鹿角市八幡平
0186-31-2221
http://www.goshougake.co.jp
1泊2食:¥10,000
      +入湯税+消費税


(部屋の設備)
・洗面台、トイレ付
・ドライヤー有

↑ロビーもキレイです

↑部屋の様子

↑廊下

さて、夕食前にお風呂に向かいます。館内はとても広く、キレイで迷子になりそうです。大浴場は天井がとっても高くなっていて男女それぞれ同じ構造になっていて中には名物箱蒸し風呂、泥湯、火山風呂、神経痛の湯、打たせ湯、サウナ風呂、露天湯の7湯に加えて旅館部用の内湯が離れたところに設置されています。泉質は酸性単純硫黄泉でPhは5.7であります。写真撮影は禁止と張り紙がされていたのでパンフレットの写真でご勘弁くださいナ。箱蒸し風呂は首だけ出すサウナで前の両開き扉を開け中のイスに座ります。のぼせないのでいいです。泥湯は黒い色をしたもので底には泥が沈殿しています。美肌に効果があるそうですよ。露天風呂は大浴場の建物の外(下の写真のカメラ側手前)に出たとこにありますがそれほど広くはありません。火山風呂はボコボコと底から泡が出ています。温度もちょうど良く広々とした浴場で気持ちいいです。

↑大浴場(写真はパンフレットのものです)
なお、一番手前が火山風呂、その奥の一番広い浴槽が神経痛の湯、奥の左から、サウナ、箱蒸し、泥、打たせ湯

↑泥湯(パンフレットより)

↑露天風呂(パンフレットより)

↑箱蒸し風呂(パンフレットより)

↑内湯

食事は朝夕ともに大広間で頂きます。きりたんぽ鍋や山菜など質量共に満足できるものです。


←↑夕食です

↑朝食です

↑食事場所の大広間への階段

↑湯治部の建物
後生掛温泉はいろんなタイプの温泉が男女別に別れていて、設備もきちんとしているので女性の方にもお勧めできるのではないでしょうか。あと、湯治村と言って地熱で床が暖まっているオンドル部屋のある自炊用の湯治部もあります。
 後生掛自然研究路 
翌日は朝ご飯を食べて宿を出た後、宿の近くにある後生掛自然研究路に行ってみました。およそ40分ほどで1周2qを見学出来るコースとなっていて舗装された研究路が整備されています。後生掛地区は噴気孔、ふっとう泉、湯沼、吹上泉、泥ツボ、泥火山がわずか1qの範囲に集まって全国的にも珍しいところです。この自然を理解するために環境庁と秋田県によって作られたものです。さて研究路の入り口まで来るとあちこちから白い煙が立ち昇っていて地獄のような景色が広がっていました。今日は近くにある蒸ノ湯温泉まで歩いてできれば八幡平の頂上までバスで行こうと思っています。蒸ノ湯へはこのコースの中間にあるしゃくなげ茶屋から分かれて1時間位歩かなければいけないようでした。


↑オナメ・モトメ
観察路を歩いていくとほどなく現れるのが、後生掛温泉の名の由来となったオナメ・モトメがあります。この地方でオナメとは妾、モトメとは妻のことです。1人の♂に後生を掛けて祈りながら身を投じた2人の♀の伝説からこの名前がついたと言われています。名前の由来はともかく、時には20mも熱水が吹き上げることもあるそうでなかなか迫力です。一見ジャグジーか?とも思えますが、種も仕掛も無しに地底から噴出す熱水であります。

動画で見てみる!(ダウンロードにちと時間がかかります)

↑紺屋地獄
続いて現れるのが紺屋地獄です。こちらもやはりボコボコと熱湯が噴出しています。湯の温度は94℃あるそうです。池の色が紺屋の染料のようなのでこの名前がついたのでしょうか?



↑しゃくなげ茶屋

研究路の途中に有る小さな売店&おみやげ物屋さんです。名物黒玉子も売っていたようでした。
→噴気孔
地上に空いた孔から蒸気が音を立てて噴出しています。孔の周りは黒い噴出物が積もり植物もありません。


泥火山はもともと湖底であったものが蒸気の堆積物で浅くなり、さらに間欠的に吹き飛ばされた堆積物によってこのようなものができたそうです。湯沼式泥火山と呼ばれ、大正6,7、年頃から成長し始め日本一の規模だそうです。泥の厚さは地上では1mほどですが、地下まで含めると7〜8mあるそうです。まるで小さなミニチュア火山の様ですネ。ほとんど活動しないようにも見えますが、しばらくじっと観察していると時折火山の火口からボコッと泥を噴出します。聞くと数年ごとに噴火するそうです。この噴出物の温度も94.5℃ととても高温なものです。周りの水も一見キレイな青い池ですが、かなり熱いらしいです。
さて、泥火山を後にさらに道を進むとあちこちに池のようなものがたくさん見えます。良く見ると穴から湯気が出ていて色も白かったり透明だったり黒かったり様々でただの水溜りでない温泉であることがわかります。中坊主地獄は「ふとう泉群」であり、透明なお湯は溶存物質が少ないためです。水温は86℃もありphは1.8と非常に強い酸性であります。この辺りの水は一見普通の水溜りですが、酸性度のめちゃくちゃ強い熱湯ですから絶対に触ったりしてはいけません。

↑中坊主地獄

↑中坊主地獄(左写真の真中付近拡大)からは高温蒸気が…

中坊主からやや登り坂を登ったところが大湯沼です。遠くの方に湯気で覆われたような大きな池があり、手前にはいくつもの噴気孔ができています。
噴気孔からはやはり蒸気がゴーッと音を立てていて時折噴出物が飛び出してきます。池自体もかなり大きく道も途中からは危険なため通行止めになっていて1周することはできません。中洲は天然蒸気からの沈殿物が溜まりすでに泥火山や泥ツボが出来成長したものです。東側は活動も静かですが水面下にたくさん見える泥火山や泥ツボから以前の活動が想像されます。西側は活発に活動していて水温は83℃以上あり、現在も西側にどんどん広がっているそうです。
動画で見てみる!(ダウンロードにちと時間がかかります)

池に近づくに従って火山活動の激しさが強くなります。左のようにさかんに泥の熱湯が噴出していて危険を感じるほどでした。
一番激しい箇所です。ほとんど火山の噴火の様にドーンッという音と共に噴出物を吹き上げていて、こっちにかかってきそうではっきり言って危険です!恐ろしくて早々に引き揚げるしかありませんでした。

↑大湯沼全景

↑大湯沼(真中の煙の辺が上の写真の場所)
しかし地球のエネルギーはスゴイですね。今は平らな地面もやがて将来何百年かしたら大噴火を起こして大きな山になったりするのかな?というわけで再びしゃくなげ茶屋まで戻って一休みしたyosiは蒸ノ湯温泉を目指して出発したのでした。今日も天気がカンカン照りで暑い。。。

東北秘湯巡りの旅(6/7)へ続く・・・