ダムに沈む温泉ということでむしろそれを売りにしている観光地かな、と行く前は思っていたのですが、やはり現地を歩くとすっかり活気が無く、なんだか悲しいものがありました。お湯もヒトも良いこの温泉地がダムによって移転したらより活気がある良い場所になってくれればいいな、と思いつつ川原湯温泉駅から新宿行きのバスに乗ったのでした。ちなみに帰りのバスも3連休の帰りとあって高速は大渋滞でやはり1時間ほど遅れての到着でした。
↑川原湯温泉駅
↑新湯と足湯
↑川原湯温泉は国道からこの道を入ります
↑川原湯温泉街
↑川原湯神社
笹湯を出るとお昼になったので川原湯に唯一ある食堂でお昼になりました。帰りのバスは3時過ぎという事ですが、冬場で見所もあまりなく川原湯神社にとりあえず行ってみました。数年前の火事で新しくなっていますがその前はかなり立派な社殿だったと写真を見て残念に思いました。神社のそばには新湯という新しい源泉があり、それを利用して足湯もあります。そしてこの新湯を利用して温泉卵をつくるのが観光客の間で流行ってるらしかったです。
↑謎の男もご機嫌です
メイン道路から路地を下っていくと笹湯という共同湯があります。男女別の湯舟がそれぞれあるだけ(女湯は不明)で無人のため箱に料金を入れる仕組みです。外観は雪も積もってかなり古いので「大丈夫か?」と思ったのですが、入ると広い浴室はキレイに掃除され気持ち良く入浴できます。これは地元の子供たちが管理をしているためだそうです。
浴槽は5人位入れるタイルで、お湯は無色透明の適温でした。底には、

↑のような白い湯の花が溜まっています。王湯も混んでなかったけどこちらは1時間ほどいて誰も来なかったです。静かに止まった時のようなシアワセな時間でした。
料金:\300 営業時間:(4〜11月)10:00-20:00 (12〜3月)10:00-19:00
↑笹湯外観:かなり古いです。
【川原湯温泉】笹湯
↑内湯 と ↓露天
【王湯】0279-83-2591 料金:大人\300 休憩室\600 泉質:こちらをご覧下さい
営業時間:(4〜11月)10:00-18:00 (12〜3月)10:00-17:00
↑内湯脱衣所からの階段
↑内湯入り口
↑受付(左)正面は休憩室
↑玄関
↑王湯外観(右側が露天への廊下)
宿を10:00にチェックアウトしたのですが、帰りのバスは3時ということでそれまで共同湯巡りをすることにしました。高田屋に宿泊するとすぐそばにある共同湯「王湯」の入浴券をもらって入浴することができます。川原湯温泉は源頼朝によって開湯されたという説があり、王湯の玄関には源氏の紋所の「ささりんどう」が大きく描かれています。ここの源泉が川原湯温泉の各旅館へ運ばれているわけです。営業開始の10:00に早速行ってみるとyosiが一番乗りでした。玄関を入るとすぐ受付がありおばちゃんが番をしています。休憩室もあります。その下が男女別内湯となっており、さらに渡り廊下を通っていくと男女別露天風呂もあります。最初に内湯に行ってみました。なかなか古い湯治場の雰囲気が最高であります。脱衣所から階段を降りていくと10人くらい入れる湯船がキレイなお湯をたたえていました。湯加減もちょうど良く最高のお湯を1人占めしました。昔の湯治場の旅館はお風呂は無くお風呂だけこうした共同湯に入るというのが多かったらしいです。
【川原湯温泉】王湯
混浴で見晴しが良いため入るには勇気がいると思います。ちなみに早朝入浴後タオルを見たら凍ってました。暖かくして是非行ってみて下さい
↑早朝 →昼頃(写ってるのはyosiでない)
↑聖天様露天風呂
↑聖天様
聖天様とは夫婦円満子授けの神(歓喜天)のことです。地元の人たちは聖天さんと呼び毎年5月5日に神事を行い、一品持ち寄りでお神酒を頂きます。歓喜天の信仰は子孫繁栄であり精力増強の信仰でお供え物にもそれが現れています。(現地張紙より)
【川原湯温泉】聖天様露天風呂
冬は7:00からと書いてあったので6:30頃行ってみるとまだ掃除のおぢさんが掃除中でした。当然湯舟は空っぽ。7:00位になってようやく掃除を終えたおぢさんは「1時間は掛かるよ」と。浴衣一枚で待っていましたが、やはりなかなか溜まりません。朝食の時間もあるのでやむなく10pほど溜まったとこで入りました。当然横になってですがそれでも浸かれない状態。早々に引き揚げることにしました。後から2人ほどやってきましたが諦めて帰っていきました。源泉は川原湯温泉新湯で他と似た泉質です。そばには由来となった聖天様が祭られていますが、精力増強の信仰でお供え物もなんだか。。。この露天風呂はメイン道路から階段を数十段上がった高台にあり、混浴です。入口の箱に100円入れて入るようになっています。
↑朝食はキノコ陶板焼などなど
←夕食
山菜釜飯、鹿陶板焼、カニ、刺身、カキ、エビスープなどなど
温泉の後は夕食です。ここは朝夕共に部屋食となります。ほどなくおねいさんが夕食を持ってやってきました。夕食はなかなか手が込んでいる感じで満足であります。食べているとマッサージのおにいさんがやってきました。宿の無料です。渓谷歩きの疲れもありいつしか寝ていました。この宿もダムで沈み近くに移転することになります。宿の人も親切でまたその時には是非来てみたいです。
↑砂風呂に入る謎の男
↑高田屋の玄関
↑街で見かけた看板
←↑:川原湯温泉付近の吾妻渓谷
←左:見晴台から川原湯方面(遊歩道はこの左岸の崖に沿って川原湯まで続きます)
←右:見晴台から鹿飛橋方面
→見晴台で一服する謎の男
↑↓笹湯の浴室は壁に穴もありますがキレイに磨かれてます
続いて露天風呂に行ってみました。こちらは内湯よりやや狭めの湯船です。浴槽の中で立つと崖の途中なので見晴らしが良いです。洗い場はとても狭く洗ったりするのに厳しいかな。内湯に比べてキレイでもあるのでどちらかというとこちらの方が人気があるようでした。yosi的には古いけど雰囲気がある広い内湯の方がお気に入りでした。
王湯を出たyosiは今度は笹湯という共同湯に行きました。
←廊下 ↑昔の暖房器具 ↑客室
↑玄関付近 →ロビー付近
砂風呂を出ると浴衣を脱いでシャワーを浴び汗と砂を流します。休憩室で薬茶を飲んで地下にある内湯に向かいました。ここの泉質は「含硫黄−カルシウム・ナトリウム−塩化物・硫酸塩温泉(中性低張性高温泉)」で、2つの源泉からの混合となっています。無色透明のほのかに硫黄臭のする柔らかなアルカリ泉(ph7.1)は気温のせいかややぬるく感じ(源泉温度71.6℃)ましたがのんびり入ることが出来ます。露天風呂は1F奥にあり、砂利湯(男湯)と寝湯(女湯)の2つがあります。宿の人に聞くと昔は日替わりで入れ替えていたそうですが、間違える人が多く、今は固定しているそうです。露天風呂は有料の貸切りで入ることは可能ですが今回はあきらめることとなりました。砂利湯は実際には砂利ではなく、大きな丸石が幾つか沈んでいるお風呂です。割とキレイですが塀に囲まれて開放感はあまりないかもしれません。(システム料金詳細は宿のHP参照下さい)
高田屋旅館は1795年の創業です。元は豆腐屋を営みながら湯治客を泊めていたのが始まりだそうです。ここも数年後にはダムに沈むわけです。玄関に入るとお雛様がお出迎えをしてくれました。古い旅館らしく昔使った家具や道具があちこち展示されたりして雰囲気があります。受付を済ませていると砂風呂(別料金)はどうしますか?と言われました。1回に3人ほどずつで時間を指定するようになっているそうで、早速お願いすることにしました。浴衣だけ着て案内されると部屋の中に砂が敷いてあり、浴衣のままくぼみに寝て係りのヒトに砂で埋めてもらうわけです。砂には塩と酵素が混ぜてあって血行がさらに良くなるそうです。15分間そのまま寝ているわけですが、床の部分が結構熱い。お尻が熱くて横になったりじっと我慢してましたが、後日見るとお尻が火傷していました。部屋は広いのですが1回3人ずつ、yosiはかっぽー2人組みと一緒ですっかりオジャマ虫らしかったです。記念に写真を係りのヒトに頼んで撮ってもらいましたが後で張り紙を見たら「写真撮影禁止」だそうです。係りのおねいさん、ありがとう。
【川原湯温泉】高田屋
鹿飛橋から1時間ほども歩いたところで「見晴台」という高台にでました。看板には「鹿飛橋まで900m、20分」とありましたが、これは雪のない時期のものらしいです。高台からは川原湯温泉方面の見晴らしが良いです。鹿飛橋方面は木に遮られてあまり見晴らしはありません。計画ではどうやらこの辺りにダムが出来るらしい。
B露天風呂(砂利湯)
A内湯
@砂塩酵素風呂
鹿飛橋の付近の吾妻渓谷はかなり川幅も狭く上流側は流
れも急でなかなか迫力があります。切り立った崖は元々強酸性の水だったためか水際が茶色に変色しています。ダムが出来てもこの辺りは文化的な面から保護され水没は免れる様ですが、水量とか今のような自然な風景は無くなるのかもしれません。再び川原湯方面へ遊歩道を進みます。遊歩道と言っても斜面に沿った細い雪道が続きます。一部雪が凍っている崖のような箇所もあり手すりを頼りに通りました。この時期はこの遊歩道は誰でも気軽に通れる道ではないようです。
←2枚 遊歩道からの吾妻渓谷
岩島駅から国道145号線を川原湯方面に歩いていきます。舗装された平坦な道ですが、風が冷たい。車も結構通ります。吾妻川はすぐ脇のはずですが道路からは見えないでいましたが、20分程歩いていくと左側に吾妻川にかかる大きな橋がありました。橋の上から川を覗くと崖の下に緑色の吾妻川が流れていました。川の色は青かったり緑色だったり不思議です。吾妻川はもともと強酸性の川で魚も住めなかったそうですが、昭和30年代に中和工場が出来て飲める水になったんだそうです。
吾妻渓谷には遊歩道があるとの情報を聞いていたyosiはその入り口を聞こうと通りかかったおぢさんに聞ききました。「歩ってくのか?、それならこっちからでも行けるけどまだず〜っと先ダ」と言われトボトボ集落の中の道を歩きました。途中、湯気が見えたので「なんだ?」と思ったら「天狗の湯」とかいう温泉施設で、ダムの地元対策施設だそうで地元の人しか入れません、と書いてあったので諦め、またテクテクとダムの工事現場の中を歩きました。さすがに大掛かりな工事です。祭日のためか作業はあまりしてない様でした。
川原湯温泉駅から宿泊先の高田屋までは歩いて15分ほどです。
既に2時を廻っていたので軽い食事の出来る場所を探したのですが、街は既にダム建設のためか移転済みのお店も多くひっそりしていました。ようやく川原湯館という旅館に喫茶店を見つけ入りました。喫茶店と言っても旅館の食堂での営業で他に客も無し。yosiのために女将さんがストーブをつけてくれました。トーストセットを頼んで待っていると、食事していないことを聞いた女将さんはケーキとチキンナゲットをサービスしてくれました。とてもうれしかったです。
【吾妻渓谷】
見晴台から川原湯までは看板によると1q、25分とありました。既に1時だったので急ぐことにしました。途中の遊歩道は相変わらず雪が凍って大きなツララもあちこち垂れ下がっています。途中、滝が凍っていました。自然の力はスゴイですね。
2時過ぎになって遊歩道の終点に辿りつきました。遊歩道の出口には「冬季閉鎖中」の看板がぶら下がっていました。後で聞くとやはりこの遊歩道は4月から11月まで以外は通行止めだそうです。どうりできつかったわけです。この渓谷もダムの工事があちこちで始まっていて景色もどんどん変わっていくことでしょう。ダムの必要性についてはいろいろ議論がありますが、いずれにしても自然が失われるのはもったいない気がします。
やがて「遊歩道入口」という小さな看板を見つけ、雪が積もった山道というより「けもの道」に入っていきました。結構積もっていて「遊歩道だから普通の靴でいいや」と気楽に考えていたyosiも滑りそうになりながら、道もハッキリしない状態でもあり、不安に感じながら進んでいきました。
沢を渡り山の斜面を登りきったら眼下に赤い橋が見えました。歩道らしきものも見えます。しかしそこまでは雪の急斜面で降りれそうな道もなく岩の絶壁に沿っていけばいいかと進むと凍った道はいよいよ狭く落ちたらヤバそうです。ここは勇気をもって撤収、と思い少し戻ったところでなんとか下に降りれそうなルートを見つけました。看板を見ると「鹿飛橋」という吾妻渓谷の最も人気の場所だと分かりました。遊歩道の終点でもあります。ここから遊歩道が川原湯温泉駅まで続いています。
→左 鹿飛橋から(下流側)
→右 〃 (上流側)
中之条からJR吾妻線に乗り、川原湯温泉へと向かいます。川原湯温泉駅で降りるところですが、吾妻渓谷に寄るため1つ手前の岩島駅で電車を降りることにしました。電車は国道145号線と吾妻川と並んで走ります。岩島駅はホームに雪が積もっていました。無人の小さな駅です。
吾妻渓谷には現在、八ツ場ダムという多目的ダムが数年後の完成を目指して建設中です。完成するとこの渓谷も4分の1ほどがダムの底になります。
八ツ場ダムについて
↑中之条から吾妻線で川原湯温泉へと向かいます
お わ り で す 。
平成17年2月11日〜2月13日のうち【2月12日〜13日の分】